8月のおすすめ本

 「ターちゃんとペリカン」

ドン・フリーマン:作 さいおんじさちこ:訳 / ほるぷ出版

 

 ターちゃんは、お父さんとお母さんといっしょに毎年夏休みにキャンプをします。

 今年ははじめて釣りにチャレンジ。来るたなと思うといなくなる、いないなと思うとまた来る、海辺のペリカンや、潮の満ち引き。自然の中に身を置くからこそ感じたり、発見するものがいっぱい。

 ターちゃんと読む人を包むあたたかい空気を感じてください。

 「このあとどうしちゃおう」

ヨシタケシンスケ:作 / ブロンズ新社

 

「じふんがしんだらどうなりたいか、どうしてほしいか」が書かれた、亡くなった

おじいちゃんのノート。ゆうれいになって、天国に行って、生まれ変わったあとのことまで、おじいちゃんの「こうしたい」がいっぱい!

 死は生からつながった先にあるもの。ふざけながらでも、本音で話すきっかけになるかもしれません。

 「あしたの動物園 熊本市動植物園のおはなし」

野坂悦子:作 いたやさとし:絵 / 玉川大学出版部

 

 「ライオンが逃げた!」というデマが流れた熊本地震。だが、それが現実とならないよう地震で大きな被害を受けた動物園の動物達を守り、熊本市動植物園の復活のために奮闘した飼育員の方々の日々が描かれている。

 動植物園へ足を運ぶ前に一度読んで欲しい。

 「お菓子放浪記」

西村滋:作 八木康夫:絵 / 理論社

 

 著者自身の体験を基に、過酷な運命を生きる少年の姿を描いた長編小説。

 物が溢れる現代でも甘いお菓子を食べるとホッとするが、戦時中ならばなおさらの事。甘い物への憧れ、人との繋がり、真実を見抜く力…貧しく、心もお腹も飢えていた時代のはずだが、何故か現代より温かく感じる。

(1976年読書感想文コンクール課題図書)